2013年3月7日木曜日

木工と金物

ワタクシ色々な方によく言われるのです、「手作りの家具は良いですねぇ~、釘やネジは一本も使って無いんでしょう。」ってな具合に。で、答えるのです。「部分的には使っております、色々な意味で合理的ですから。」と。こう聞いた方は皆さん、「あっ、そうなん。」ってな感じで少しご不満のご様子です。もちろん当工房で製作する家具木工品は無垢材を使い、ほとんどの部分は木組みで出来ております。ですが、木工において、釘などの金物を使った方が合理的であることも少なくないのです。木という素材は季節や気候によって収縮、膨張するという少々やっかいなモノであります。そのような素材を使った木製品には「永年の使用に耐えるために、木組みで組み立てることが合理的である」、ということは確かであると思います。一方で木組みでは抑えきれない経年変化もあります。(ワタクシが下手くそなだけという話もある。)そんな場合などには金物を使うことはむしろ正しい選択であるとワタクシは考えているのです。少々言い過ぎかもしれませんが、木組みのみでできているという部分だけでその木製品をありがたがると言うのは本質から離れた評価とちゃうかと思うのです。現代は金物も接着剤も昔とは比べものにならないくらい発達していて、しかも安価になっています。現代に合った合理的な木工も在るはずだとワタクシは考えるのであります。(昔ながらの木工技術のほとんどは先達からの素晴らしい贈り物であることは言うまでもありません。温故知新であります。ホンマに。)

1 件のコメント:

  1. 大槻先生

    金物の紹介興味深く読ませていただきました。
    残念ながら写真の金具はどのように使用するのか私には分かりませんが、また教室でこっそり教えてください。

    紹介していただいたオフコーポレーションのネットのページもときどき見ていますが、総合カタログが欲しくて探したのですが、総合カタログは今は発行していないとのこと?
    残念です。なんとなくめくって、品物を探すほうが未知の金具を探すには便利なのですが。ときどき教室のカタログをみせていただきます。(それともプロの方々には入手の道があるのでしょうか?)

    西宮市のSより

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