本日は四月最終日、そしてゴールデンウィークの真っ只中であります。当工房にはなーんも関係ありませんが(しつこい?)、周りは何と無く静かです。昨日と打って変わって曇り空がうっとうしく感じる一日でしたが、仕事に集中出来た様に思います。問い合わせの電話も来客も無く実に淡々としたものです。雨の日には気持ちがかえって落ち着く時がありますが、それと似た様な事でしょうか。明日以降も仕事に励みたいと思います。(ご近所の皆さん、お休みのところ大変申し訳ありませんが思っ切り騒音を出します。平にご容赦を。)
2012年4月30日月曜日
2012年4月29日日曜日
生徒さん作品
昨日よりゴールデンウィークに突入しました。私にはなーんも関係ありませんがエエ天気のお陰で気分良く仕事が出来ています。
さて、生徒さんの作品の紹介です。ほとんど手工具のみで作られたスツールとマガジンラックです。こういう小ぶりなスツールは便利なんですよねぇ。又、マガジンラックのデザインも遊び心が在って楽しい作品です。自由に楽しんでおられるのがうかがえてこちらも嬉しくなります。物作りは作りたい物を楽しんで作るということが全てと言っても言い過ぎではありません。自由におおらかに作りましょう!
2012年4月27日金曜日
馬(新型)
本日は馬のお話です。馬といっても動物の馬ではありません。材料を置いたり、削ったり切ったり、又コンパネ等の板を置いて簡易作業台にしたりとまことに便利な物ですが我々はそれを馬と呼んでいるのです。英語ではソーホースと言いますね。当工房でも三組を用途によって使い分けしています。一つは重い材料をドスンと置く物、一つは先程お話した使い方をする物、そして最近作ったのが、簡単に折り畳めて展示会でのディスプレイ用テーブルの脚になったり、現場仕事で使えたりするちょっと見た目コマシな物です。売り物ではありませんので面倒臭かったのですが思い切ってバババンと作ったのです。これから色々な場面で活躍してくれる事でしょう!(活躍してくれなければ困る。)
2012年4月25日水曜日
新作
本日は新作の紹介です。出来立てほやほやの新作ベンチです。ダイニングテーブルに合わせる小ぶりなベンチのお話が多いためこの度作って見ました。自分では大変気に入っているので早速定番に決定です。(拙速?) 来月の姫路アートクラフトフェアに持って行く予定です。ということで、姫路アートクラフトフェアまであと二週間ちょとに成りました。皆さんお誘い合わせの上、是非お越し下さい。
2012年4月23日月曜日
積層合板の椅子
先日来お話しておりました積層曲げの背板を付けた椅子が、完成いたしました。本日は一回目の塗装です。何てことの無い椅子ですが、私好みのあっさりとしたカタチです。(いつもこういう事を言っとる様な気がするな。)さて、お客様はどうおっしゃるかな?
2012年4月22日日曜日
作品紹介
本日は作品の紹介です。季節としてはもうオフシーズンですが、今回は囲炉裏テーブルです。950ミリ角の正方形の炉縁の物で、下部の脚と上部の囲炉裏部分とが取り外しが可能です。つまり、座卓型の囲炉裏としても使えるのです。(おっー、これはスグレモノだ!)
電力供給の先行きが不透明な中、冬の暖房に如何でしょうか。あれ?私は何を考えているのでしょうか、売り込みの時期を完全に間違っているのであります。(ネタに困るとわけの解らん事をしますなぁ、我ながら。)
2012年4月21日土曜日
積層合板
昨日積層曲げをした椅子の背板を椅子本体に仮止めしました。まだまだ未完成なのではっきりとお見せできませんがエー感じに成りそうです。この積層曲げで出来た物を積層合板というのですが何か言葉の響きが良くありませんねぇ、接着剤をたっぷり使った合板であるのは確かですけど・・・・。我々製造業にとってエコロジーということと、品質の良い物を作るということの両立は難しかったりするのです。(またもや言い訳ですかって?)
2012年4月20日金曜日
秘密兵器
椅子の背板など板を曲げる時大体二通りの方法で曲げるのですが、一つは蒸して木を柔らかくして曲げる方法、いわゆる曲げ木ですね。木を無駄無く使えますし木の目が切れることが無いので丈夫です。欠点を言えば多少曲げが戻ることでしょうか。もう一つは薄い板を曲げながら接着する積層曲げという方法です。この方法の良いところは曲げが戻ることが無い事と曲げるのにさして時間がかからないというところでしょうか。欠点は薄い板を取る為、歩留まりが悪いというところです。当工房ではこの積層曲げで板を曲げています。
さて、当工房での曲げ方です。まず所定のRに曲げるためにRの型が必要です。その所定のRの型一組で接着剤を塗った数枚重ねた薄板を挟んでクランプで締めるのです。本来は接着剤が早く乾いてしまうのでプレス機で無いと間に合わないのですが当工房ではクランプでやってしまうのです。なぜそんな事が出来るのか。ここで秘密兵器登場です。その名も鉄丸くん!この鉄丸くん、重さ百キロはあろうかというクソ重たい奴(こりゃ失敬)です。そして接着するやいなや、この鉄丸くんを力持ちの大槻くんが型の上にドスンと置くとあっという間に大方曲がるという寸法です。その後悠然とクランプを架けて終わりなのです。おかげで私は筋肉ムキムキになるというオマケ付きです(ウソ、ウソ) 。まあ、いずれにしても木を曲げるというのは面倒な事なのです。
2012年4月17日火曜日
グロック
昨日の夜、家の飼い犬であるグロックが死にました。四日程前から突然元気が無くなってしまったのですがどうやら老衰死の様です。享年十五歳と五ヶ月ですので長生きしたと言えるのかもしれません。生まれたばかりの彼は私が但馬で独立開業した年に当時付き合いのあった木工機械屋さんの所からやって来たのでした。彼と過ごした今日までの十五年は文字通り悪戦苦闘の日々でしたので戦友を亡くした様な気がします。わがままで、大飯喰らいで、そのくせ臆病な、駄犬そのものの様な奴でしたが憎めない奴でありました。柄にも無いのですが今は寂しくてしょうがありません、たかが犬ですが戦友ですので。
グロックよ、お前はホンマにしゃー無い奴やったけどホンマにホンマにありがとうな!
2012年4月16日月曜日
木の乾燥(その二)
本日は木の乾燥の続きです。製材された木はまずは天然乾燥(要するに天日干)しなければなりません。直射日光や雨に当たらない様にして乾かせます。大昔ならこのまま天然乾燥を八、九年すれば良いのですが現在は天然乾燥を数ヶ月して残りの二、三週間程を乾燥機に入れ人工乾燥するというのが一般的です。乾燥機にも色々種類があって、蒸気式、高周波式、真空式等があります。ちょと前までは蒸気式が多かったのですが最近は高周波式が多い様です。この高周波式ですが荒っぽく言えば電子レンジの親分みたいなものです。蒸気式と違ってむらなく水分が抜けるので最近は多いのかもしれません。しかし、人によっては高周波式を嫌う様です。木に艶が無くなる、木に粘りが無くなってもろく成ってしまう等が理由です。言われて見ればそんな気もしないでは無いけれども、私なんぞは、そないに言う程の事も無いと思うけどなぁ。さて、こうして乾燥させた物を私ら家具屋等が仕入れに行く訳です。当工房では以前、丸太を買って製材した物を自分の所で天然乾燥していたのですが、虫は入るわ、割れるわ、で歩留まりが極端に悪い為、現在はほとんどの場合乾燥した物を仕入れる様になりました。しかしあれですよ、今もってサッパリ解らんのは、当工房の場合、天然乾燥だけした木の方が人工乾燥した木より狂わないと言う事なんですよ、これが。木の水分は人工乾燥した物の方がよっぽど少ないのにどうゆうこっちゃろ? ホンマ、我々の仕事は木の機嫌を損なわない様にするという事に尽きるのですが、今だに木に修業さされている状態です。木様、明日もよろしくお願いいたします、かな?
2012年4月12日木曜日
木の乾燥(その一)
我々家具屋は木を材料としているのですが、さっきまで立っていた様な木は材料として使えないのです。つまり生きている木はたくさんの水分を含んでいるので使えないということなのです。何故水分を含んでいると駄目なのかというと木は乾く過程で反ったり捻れたり割れたりするからなのです。そこで木を乾燥させる工程が必要になります。まず順を追って説明すると、木を伐採するところから始まります。木はいつ切っても良い訳では無く切るべき時期があります。十一月から二月ぐらいの冬の時期が良いとされています。これは夏の間たっぷり吸い上げた水をこの時期には多くを使ってしまっていて木の中に水分が少ない状態だからです。又、この時期はカビが生えにくく、虫が付きにくい時期でもあるのです。この時期に切った木を「切り旬が良い木」と言います。この上、枝葉を付けたまま半年から一年程ほったらかして置きます。水の供給を絶たれた状態ですが葉っぱは光合成をするのでますます水が抜けるという訳です。これを「葉枯らし」と言います。実際はこの葉枯らしはめったにされることはありません。時間がかかりますからね。それから伐採した原木を製材所に持ち込んでその木の特徴を生かして所定の寸法に製材します。そこから本格的に乾燥の工程に入るのです。(続く)
2012年4月11日水曜日
神業
これは以前、巨匠の木工作家の先生から聞いた話ですが、ある日椅子を作る為に木工機械をセットをしていてその調整に苦心していたそうです。ちょうどその時、旧知の老家具職人が遊びに来たのですが、苦心している様子を見て「なにを辛気臭い事をやっとるんや、ちょと貸してみぃや!」と言って手鋸でゴリゴリ切りだしたそうです。「あっー!」という間も無くその部材を加工し終わって組み立ててみると、何と何と見事にピッタリ組み上がったということです。巨匠の先生がぶったまげていると、その御歳八十ん歳の老家具職人が言うますに、「俺は六歳からこれをやっとる。君らみたいな学校を出たもんには無理や。」、と言われたそうです。私なんかは、例え六歳から始めてもこんなこと出来そうにありません。そういえば私が弟子をしていた家具屋の先代の親方は箪笥を一日七本作っていたということでした。昔の人は信じられない事をやってのけていたということでしょうか。こういう話を聞くと人間の手には神が宿っているのかと思ってしまいますね。現代の製造現場は木工だけでなくあらゆる業種で便利になっていますが、その分、本当の人間の能力を発揮出来ない様な場になっているのかもしれません。
2012年4月10日火曜日
春
ここ二日ほど天気も良く春らしい日が我が工房にもやって来ました。今年は年明けよりのロケットスタートと例年以上の寒さの為しんどい日々でしたがここへ来てやっとホッとする様な日和です。しかしこの春というのが我々家具屋にはくせ者なのです。この時期、空気が大変乾燥するのでそこが厄介なのです。木が乾いて良いのですが急激に乾燥するので割れてしまうのです。工房の中、そこかしこで「ピシッ、ピシッ。」と音がします。木が小さく割れる音です。良い季節ですが、神経質になる季節でもあるのです。冬は冬で、夏は夏で、春は春で、文句を言う事があるということですかね。
2012年4月9日月曜日
リフォーム座卓納品完了
昨日、すでに完成していたリフォーム座卓の納品に行ってまいりました。天候にも恵まれ絶好のドライブ日和、あっ!違う違う、納品日和でありました。日曜日の京都のわりには車の渋滞も控え目でスムーズな納品と言えたのではないでしょうか。こちらのお客様は二年ぐらい前に新築のタイミングでダイニングチェアーとベンチを納めさせて頂いたお客様なのです。そしてこの度は子供の頃ご家庭で使われていた座卓をリフォームして納めさせて頂いたと言う訳です。二年ぶりに再会した椅子とベンチは大切に使って頂いている事もあって、良い艶になってお家に馴染んでおりました。大変気に入って頂いていることをうかがうと何とも嬉しくて、これがためにこの仕事をしとるんやなぁと感激したのです。(我ながらなかなか良い物を作っとるなと一人納得したりなんかしててね。) 我々家具屋が、「儲からん、儲からん!」と言いながらも嬉しそうに仕事をしているのはこれが理由なんですがホンマに有り難い事です。お金には替えられない喜びがこの仕事にはあるのです。(またそんな心にも無い様なカッコエエこと言っとるわ、って?)
2012年4月7日土曜日
木の仕事
本日は木のお話を少々。我々家具屋は木工屋でありますので木に関わって仕事をしています。世の中には木に関わっている仕事はほかにも沢山あります。樵人(きこり)、木材市場、材木屋、大工、建具屋等々、そして我々木工屋。それぞれ木のプロと自負している様です。しかし仕事によって(その人その人によって?)随分と考え方にも違いがある様に思います。例えば材木屋さんは木工品の値打ちは木の良し悪しが全てであると考えがちですが、大工さんや我々木工屋は技術にも値打ちを感じてほしいと思っています。又、大工さん、建具屋さんのいずれ共我々木工屋とは違った考え方を持っている様にも思います。
(どういう違いがあるのかは差し障りがあるのでここは触れません、悪しからず。)ただ、どういう木が良い木であるか、という点では概ね共通しています。木目が細かく素直で色が綺麗な木(木味が良い木、と言ったりする。)ってのが良いもであるという所ですかね。当の木にしたら「大きなお世話や!しょーもない木で悪かったな、コラ!」というところでしょうが。最近は良材が無くなったとあっちこっちで言われる程世界中で木を切りまくってきた人間様ですが我々木の仕事の連中には大変な責任があります。どう責任をとったら良いのか自分には解らなくなりましたがせめて「これはエー木や、あれはアカン木や。」なんて大きい声で言わないでおこうと思います。
2012年4月6日金曜日
家具のリフォーム完成
以前紹介させて頂いた座卓のリフォームの件ですが本日完成いたしました。リフォーム前の物を出来るだけ再現したのですが、ちょっとモダンになった所もあるかな?古い物を再生したとは思えない出来栄えです。(さすがに言い過ぎですが。)釘を引っかけたりして色々有りましたがそれなりに納得の品物です。日曜日に納品ですが喜んで頂けるかなぁ。楽しみです。
2012年4月4日水曜日
新年度
昨日の雨風は凄かったですねぇ。当工房のオンボロ工場もぶっ飛ぶことも無く無事に仕事をさせて頂いているのですが、もうええ加減、桜でも咲いてもろて穏やかな春を楽しみたいものです。
さて、四月になり新年度を迎える事となりました。正月明けからのロケットスタートも落ち着いてぼちぼちのペースで仕事をさせてもらっておりますが、これぐらいのペースが良いのかも知れません。
で、唐突ではありますがここでは新年度での今のところ出展が決まっているイベントの紹介をしたいと思います。一番近いところでは以前紹介させて頂いた姫路アートクラフト展が、五月の十二、十三日にあります。次は六月の一、二、三日に名古屋で「暮らす木の椅子百脚展」に出展します。これについては三日の日一日だけ私自身会場にいることになっております。その後、二、三予定しておりますがまだ未定です。(なんや、二つだけかいなって?) 春になると何だかいろんな所へ出展したくなるのが不思議です。(我に帰るとそんなに行ってる場合では無い事に気がつくのですが。)
2012年4月2日月曜日
トラフィックアクシデント
昨日夜9時頃でしたか帰宅の途中、自動車事故をもらってしまいました。信号待ちしていたところ追突されたのです。ドカーンと来てグシャッです。「グシャッ」と言っても後ろ側だけの事ですがたまげました。幸いムチウチ等怪我はありませんでしたので大した事は無いとも言えます。ぶつけた人ですが建物の洗い屋さんでして近くの某名門ゴルフ場に見積もりを届けに来たと言う事でした。私ら家具屋も建築業界と言えなくはないので同じ業界の仲間と言えます。何か気の毒でねぇ、業界の仲間ですし。この厳しい御時世、お互い必死に生き残ろうと夜遅くまで頑張っている為一瞬不注意になるのは良く理解できるのです。車は壊れましたがこちらが修理費を負担する必要はないし、身体は何ともないし、私が起こした事故ではありませんが、何かねぇ、ビミョーな気分です。我が愛車サンバー君はリアエンジンですのでエンジン自体もダメージを受けている様ですし、自動車屋さんによると「こらぁ、全損かも知れんな。」ということで修理費も高く付くだろうな。私は決して仏様でもお人よしでも無いのですが、人ごととは思えないのです。まあとにかく気付けて運転しましょうかね。
2012年4月1日日曜日
接着剤
本日は接着剤のお話です。我々家具屋は木と木を接いだり組み立てたりするとき木組みすると共に接着剤を使うのですが、接着剤の種類も様々です。私の場合、作業によって使い分けているのですがその選択には悩まされる事も多いのです。木工業界で一番使われているのは木工用ボンド(酢酸ビニール樹脂エマルジョン、いわゆる白ボンド)でしょうね。水で洗えて、一液製で扱い安いときてるので重宝します。この木工用ボンドだけでも、粘度の高い速乾型、硬化剤を併用する超速乾のハニムーン型、等々まだまだたくさんあってどれだけの物が在るのか私にも分かりません。木工用ボンド以外ではゴム系速乾、エポキシ、発泡ウレタン、にかわ、といったところでしょうか。その上メーカーによって性能に違いがあったりして終いには訳が解らなくなります。私の知人にピアノの修理屋がいるのですが、その知人曰く、「にかわも使うけど、なんちゅうても木工用ボンドが最高やで!ようくっつくしな。」との事でした。で、私が何を使っているかと言うとやはり木工用ボンドとその他、二液混合型の水性ビニールウレタンの二種類がほとんどですかな。特に強度が必要なところは水性ビニールウレタン、それ以外は木工用ボンド、って感じですかね。しかし一旦、強力な物を使ってしまうといつもそれを使っている様な気がするなぁ・・・・、作り手のサガですかね。(あーあ、もったいない、もったいない。)