2012年4月7日土曜日

木の仕事

本日は木のお話を少々。我々家具屋は木工屋でありますので木に関わって仕事をしています。世の中には木に関わっている仕事はほかにも沢山あります。樵人(きこり)、木材市場、材木屋、大工、建具屋等々、そして我々木工屋。それぞれ木のプロと自負している様です。しかし仕事によって(その人その人によって?)随分と考え方にも違いがある様に思います。例えば材木屋さんは木工品の値打ちは木の良し悪しが全てであると考えがちですが、大工さんや我々木工屋は技術にも値打ちを感じてほしいと思っています。又、大工さん、建具屋さんのいずれ共我々木工屋とは違った考え方を持っている様にも思います。
(どういう違いがあるのかは差し障りがあるのでここは触れません、悪しからず。)ただ、どういう木が良い木であるか、という点では概ね共通しています。木目が細かく素直で色が綺麗な木(木味が良い木、と言ったりする。)ってのが良いもであるという所ですかね。当の木にしたら「大きなお世話や!しょーもない木で悪かったな、コラ!」というところでしょうが。最近は良材が無くなったとあっちこっちで言われる程世界中で木を切りまくってきた人間様ですが我々木の仕事の連中には大変な責任があります。どう責任をとったら良いのか自分には解らなくなりましたがせめて「これはエー木や、あれはアカン木や。」なんて大きい声で言わないでおこうと思います。



2 件のコメント:

  1. 大槻先生

    今日は教室でも木の話を伺いました。
    木が動く話や乾躁のやり方の色々、硬い木や柔らかい木等々、興味のある話ばかりでした。木工を始めるまでは全くと言っていいほど木のことを知りませんでした。ほとんどの人はそうでしょう。
    最近は木工に向いた木が良い木なんだと判断するようになっていましたが、そうではないんですね。

    さて、今日は今朝調整して刃を研いできた際カンナの試し切り(?)の機会がやってきました。先日苦労して鑿で削った箇所をこの際カンナを使うとさくさくと削れるのです。
    調子にのって一か所削りすぎてしまいました。

    しかし、カンナが削れなくなるのもカンナの台の変形が原因の一つなのですね。これも木材の性質なんでしょうか。

    カンナの調整と刃の研磨で鉋を再生することがますます面白くなってきました。今度は右側の際カンナをGETして、再生したいです。

    カンナにはまりかけた西宮市のSより

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  2. 西宮のSさんいつもコメントありがとうございます。

    いわゆる良い木とは、見た目の面も、製作上木工に的しているか否かの面でも結局は人間様の勝手な都合での話ではないでしょうか。
    こんなこと考えてもしょうがないのですが。

    さて、ある有名な木工作家さん曰く、「カンナなんて機械と一緒や、理屈に合った仕立て方をすれば必ず誰でも切れる様になる。たかがカンナぐらい大層にいうな!」だそうです。そんな簡単には思えませんがね。

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