2012年4月16日月曜日

木の乾燥(その二)

本日は木の乾燥の続きです。製材された木はまずは天然乾燥(要するに天日干)しなければなりません。直射日光や雨に当たらない様にして乾かせます。大昔ならこのまま天然乾燥を八、九年すれば良いのですが現在は天然乾燥を数ヶ月して残りの二、三週間程を乾燥機に入れ人工乾燥するというのが一般的です。乾燥機にも色々種類があって、蒸気式、高周波式、真空式等があります。ちょと前までは蒸気式が多かったのですが最近は高周波式が多い様です。この高周波式ですが荒っぽく言えば電子レンジの親分みたいなものです。蒸気式と違ってむらなく水分が抜けるので最近は多いのかもしれません。しかし、人によっては高周波式を嫌う様です。木に艶が無くなる、木に粘りが無くなってもろく成ってしまう等が理由です。言われて見ればそんな気もしないでは無いけれども、私なんぞは、そないに言う程の事も無いと思うけどなぁ。さて、こうして乾燥させた物を私ら家具屋等が仕入れに行く訳です。当工房では以前、丸太を買って製材した物を自分の所で天然乾燥していたのですが、虫は入るわ、割れるわ、で歩留まりが極端に悪い為、現在はほとんどの場合乾燥した物を仕入れる様になりました。しかしあれですよ、今もってサッパリ解らんのは、当工房の場合、天然乾燥だけした木の方が人工乾燥した木より狂わないと言う事なんですよ、これが。木の水分は人工乾燥した物の方がよっぽど少ないのにどうゆうこっちゃろ?   ホンマ、我々の仕事は木の機嫌を損なわない様にするという事に尽きるのですが、今だに木に修業さされている状態です。木様、明日もよろしくお願いいたします、かな?

1 件のコメント:

  1. 大槻先生

    木の乾燥の話1,2興味深く伺いました。木が私たちの手元に届くまでには色々な乾燥工程と時間がかかっているのですね。

    ますます木が難しい材料であり、それに対応するにはそれなりの技術が必要なのだと分かりました。それでも何年も経つと曲がったり、割れたりするのでしょうね。

    それでも最近は無垢の木の家具を見ると本当に素晴らしいなと感じるようになりました。私にはよく分かりませんが木の温かみや肌あい、模様などが心にグッとくるのでしょうね。

    西宮市のSより

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