これは以前、巨匠の木工作家の先生から聞いた話ですが、ある日椅子を作る為に木工機械をセットをしていてその調整に苦心していたそうです。ちょうどその時、旧知の老家具職人が遊びに来たのですが、苦心している様子を見て「なにを辛気臭い事をやっとるんや、ちょと貸してみぃや!」と言って手鋸でゴリゴリ切りだしたそうです。「あっー!」という間も無くその部材を加工し終わって組み立ててみると、何と何と見事にピッタリ組み上がったということです。巨匠の先生がぶったまげていると、その御歳八十ん歳の老家具職人が言うますに、「俺は六歳からこれをやっとる。君らみたいな学校を出たもんには無理や。」、と言われたそうです。私なんかは、例え六歳から始めてもこんなこと出来そうにありません。そういえば私が弟子をしていた家具屋の先代の親方は箪笥を一日七本作っていたということでした。昔の人は信じられない事をやってのけていたということでしょうか。こういう話を聞くと人間の手には神が宿っているのかと思ってしまいますね。現代の製造現場は木工だけでなくあらゆる業種で便利になっていますが、その分、本当の人間の能力を発揮出来ない様な場になっているのかもしれません。
大槻先生へ
返信削除6歳から鋸を使うというのもすごいですが、箪笥を一日七本作っていたとは本当にすごいです。まさに神業ですね。
今週、TVで見たのです日光街道の春日部桐たんすの作成模様が写されました。鉋を使って0.何mm単位で正確に仕上げていくまさに神業でした。
私にとって、カンナがさくさくと切れるだけで感激します。
私にとってカンナは不思議な工具です。
さて、神業の話に逆行するようで申し訳ないですが、今週トリマーを使って、スツールの丸い座板を丸く縁どりする作業をやってみました。ボーズというビットを使用しました。たまにストレートビットを使って大きな音に悩まされていましたが、ボーズビットは意外と抵抗が少なくスイスイ静かに削れるのです。便利な工具やなと初めて思いました。また機会を見て、他のビットも試してみたいです。
明日はまた教室でがんばります。
西宮市のSより
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