2012年4月12日木曜日

木の乾燥(その一)

我々家具屋は木を材料としているのですが、さっきまで立っていた様な木は材料として使えないのです。つまり生きている木はたくさんの水分を含んでいるので使えないということなのです。何故水分を含んでいると駄目なのかというと木は乾く過程で反ったり捻れたり割れたりするからなのです。そこで木を乾燥させる工程が必要になります。まず順を追って説明すると、木を伐採するところから始まります。木はいつ切っても良い訳では無く切るべき時期があります。十一月から二月ぐらいの冬の時期が良いとされています。これは夏の間たっぷり吸い上げた水をこの時期には多くを使ってしまっていて木の中に水分が少ない状態だからです。又、この時期はカビが生えにくく、虫が付きにくい時期でもあるのです。この時期に切った木を「切り旬が良い木」と言います。この上、枝葉を付けたまま半年から一年程ほったらかして置きます。水の供給を絶たれた状態ですが葉っぱは光合成をするのでますます水が抜けるという訳です。これを「葉枯らし」と言います。実際はこの葉枯らしはめったにされることはありません。時間がかかりますからね。それから伐採した原木を製材所に持ち込んでその木の特徴を生かして所定の寸法に製材します。そこから本格的に乾燥の工程に入るのです。(続く)

2 件のコメント:

  1. 大槻先生

    今日、非常に面白いTVを見ましたので、忘れないうちに記入します。
    壇れいの”名匠の里紀行”の”鳥取木工と蔵の里めぐり”という番組です。吉田障也が進めた民芸のなかで木工の特集でした。
    自らは耳鼻科の医者でありながら鳥取の民芸を発展させた人です。
    木工の九面の丸い支柱と九角形の傘のレトロな電気スタンド。南京カンナで丸い支柱を九面に削っておられました。
    家具工房”Hatch”の若い職人さんの作ったケヤキ、楢、桜などの無垢の家具(名前は岡村さん)。若い仏師の矢山祐司さん。顔を彫る時が一番緊張するときとか。たくさんの木を保存して乾燥させておられました。
    もう一人竹細工の名人、細い竹を細い火であぶりながら、絶妙の技で自由自在に曲げて行きます。継ぎ目は細い竹を芯にして継ぎますが、継ぎ目がほとんど分かりません。
    亀甲竹という珍しい竹も見ました。炙って油を出して、花瓶立てなどに使われるとか。

    今、番組が終わりました。鳥取は木工の盛んなところなのでしょうか?一度行ってみたいです。

    西宮市のSより

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  2. 西宮のSさんいつもコメントありがとうございます。

    面白い番組をやっていたのですね。私も見たかったなぁ。
    鳥取は木工が盛んであるかは良くわからないのですが、鳥取では工芸などに興味がある人が多い様に思います。私のお客様にも鳥取の方がおられますし、阪神間にお住まいですが鳥取出身という方も何人もおられます。

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