本日は、古い家具の修理です。ある旧家の蔵の中にあった百年ほど前の薬箪笥ですが、お屋敷全体の大規模改修のため蔵から出てきたものだそうです。古いものですから木が虫に喰われていたり、腐っていたりしています。ですから当工房に来た時は、本体部分がばらばらになりかけていました。部分的に部材を取り替えて大改造しなければならないところですが、出来るだけ現状のまま後世に残したいというお客様のご希望で最小限の修理にとどめたということなのです。写真はおおむね組み上がり、引き出しの手直しと仕上げ掃除を残すところの薬箪笥です。材料は杉のようですが昔の実用品は杉で作られることが多かったという実例ですね。杉は日本人には昔からなじみ深い木材ですが、最近は花粉症だの何だのと評判は良くありません。人間の都合で重宝されたり嫌われたりと気の毒なことです。
大槻先生
返信削除すごく大きな、そして古い薬箪笥ですね。多分、昔の薬問屋か
医師の家で使用されていたのでしょうか?
濃い色をしていますが、どのような塗装をされていたのでしょうか? また引き出しが何個か抜けていますが、別の場所で修理中なのでしょうか?
それにしても修理は大変でしょうね? 多分、先生はもう少し手を加えたいと思われているのではないでしょうか。
明日、教室で見ることができれば幸いです。
西宮市のSより
西宮のSさんいつもコメントありがとうございます。
返信削除修理は大変といえば大変です。しかし、自分の技術と経験が役に立つのなら、それはとても有り難いことやとも思っているのです。ちなみに、外してある引き出しは一つだけ無くなっています。その一つ欠けた状態も後世に引き継ぐとのことでした。